オンラインにて子育てファミリーの家計相談をおこなっている 塙 です。
梅雨のジメジメしたお天気から一転して夏日が続いています。
熱中症に気を付けて過ごしましょう。
先日、損害保険料算出機構より火災保険の参考純率を全国平均で10.9%引き上げると発表がありました。金融庁の認可が出れば、火災保険は2022年1月から値上げされる見通しです。
損害保険料算出機構
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/202105_announcement.html
火災保険の値上げは、ここ数年で3度おこなわれました。今後さらに値上げが行われる予定となっています。ここ数年での大規模な自然災害と築年数の古い建物が増えたことが理由として挙げられます。
損害保険料算出機構は、参考純率が、既定の条件を満たす適正な数値であるかを、毎年検証しています。ここ数年は自然災害の被害が各地でありました。台風、豪雨など風水災の影響で、火災保険の支払保険金額と支払件数が増加したため、参考純率の見直しが行われました。
保険料率は「純保険料率」と「付加保険料率」の2つから構成されています。
参考純率とは、損害保険各社でつくる損害保険料算出機構が算出する、純保険料率の目安のことです。保険料や支払われた保険金、支払件数などの統計をもとに、参考純率が算出されています。
この参考純率は、純保険料率を決める際のあくまで参考に過ぎません。
参考純率をそのまま純保険料率に採用する保険会社や、保険会社の商品に応じて修正をした数値を採用する保険会社もあります。
参考純率は、2018年に全国平均で5.5%、2019年には4.9%それぞれ引き上げられました。今回の全国平均10.9%引き上げという改定率は過去最大です。
改定率は、建物や地域で異なる
実際の改定率は、建物の構造や都道府県などに応じて異なっており、引き下げられている場合もあります。
現在、各損害保険会社の保険料についての詳しい発表はありません。参考準率の改定が発表されているため、2022年には、火災保険料が引き上げられることが予想されます。
参考純率が見直される背景には、台風や豪雨などの自然災害で保険金の支払いが増加し、火災保険の収支が悪化していることが挙げられます。
以下の金額は日本損害保険協会より
2017年度
台風18号 300億円 1378億円
台風21号 1078億円
2018年度
7月豪雨(西日本豪雨) 1520億円 1兆3578億円
台風21号 9202億円
台風24号 2856億円
2019年度
台風15号(令和元年房総半島台風) 4244億円 9150億円
台風19号(令和元年東日本台風) 4751億円
10月大雨 155億円
2020年度
7月豪雨 848億円 1780億円
台風10号 932億円
火災保険は、大規模な自然災害が発生すると、支払う保険金が大きく増加します。
この自然災害による被害が拡大している原因に、地球温暖化の影響があるとされています。気温が上昇すると、雨の降らない日が増え、水蒸気が空気中にため込まれ、強い台風や豪雨が発生しやすくなるといわれています。
これまで、異常気象の原因は、偏西風や台風などの気象の乱れ、エルニーニョといった大気の変動や海洋との相互作用と言われていました。
しかし最近は、大気中の温室効果ガス濃度の増加により、地球の平均気温が上昇することで降雨パターンが変動し、異常気象の発生頻度が高まったとされています。
この降雨パターンの変化は、日本にも影響を与えています。
国土交通省 気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq19.html
また、年数を経過している築古物件の割合が増加していることも、見直された理由の1つです。中古物件は新築や築年数の浅い住宅よりも、建物本体や電気設備、給排水設備などが老朽化しているため、自然災害によって損害を受けるリスクが高くなっています。
このように頻発する大規模な自然災害や、築古物件の増加などが原因で保険金の支払額が増加したこと。今後も大規模な自然災害が発生する可能性があり、その将来的な災害リスクの予測も困難であるといわれています。
そのため、火災保険の収支を改善するために、参考純率の引き上げがおこなわれることになりました。
ご自身の加入している火災保険の契約内容の確認をしましょう
火事や水害、地震などの万が一の災害時に財産を守ってくれる火災保険、ご自身にあっているか確認しておくことは大切なことです。
必要以上の補償に入っている場合は、保険料がもったいないですし、補償が不足していた場合は、万が一の際に受け取る保険金だけでは必要な費用が足らないことになってしまいます。
必要な補償にして、保険料負担をできるだけ安くするには定期的な保険の見直しが必要となります。
①補償範囲の確認
火災保険は、火災をはじめ落雷や破裂・爆発、風災、雪災、盗難などにより保険の目的である建物や家財に損害が生じた場合等に保険金が払われます。
各保険会社によって、基本補償とそこに付帯できる補償があります。補償内容と保険料をよく考慮しましょう。
*家財も心配なので家財の補償を付帯する、または保険料を考えるとその分を貯蓄し対応したいため、家財の補償をはずす。
*ハザードマップなどを確認し、自分の住んでいる地域が水害のリスクが低いと判断できる場合は、水災の補償を外す。
*地震が心配なので地震保険も付帯する。
保険料を必要な補償にあわせておさえつつ、ゆとりができた分は万が一のときの資金として蓄えておくことも大切なことです。すべてを保険で補おうとすると保険料が増大し、家計を圧迫してしまいます。
②契約期間の確認
火災保険には長期契約割引があり、契約期間が長いほど総額の保険料は安くなります。
現在加入中の火災保険が1年更新の方は見直しをしてみましょう。
③建物の評価額の確認
火災保険の建物の保険金額は時価と再調達価格があります。ご自身の加入している契約はどちらか知っていますか?
現在の火災保険は、時価額ではなく、再調達価格で保険金額を設定することが一般的です。
時価とは、同じものを購入する際に、経年や使用の消耗分を差し引いた現在の価値のことをいいます。
時価の設定をしていると、火災などで全焼してしまった場合に、現在と同程度の建物を新築することができない可能性が大きいです。
建物の再評価は可能なので、再調達価格で保険金額を設定し、万が一の場合には新築にすることができるような保険金額かどうかも検討してみましょう。
④免責金額の確認
免責金額とは、保険金支払いの対象となる事故があった場合、自分で負担する金額のことです。
免責金額を高く設定すると、事故発生時の自己負担額は大きくなりますが、保険料は安くなります。免責金額を設定することで、保険料をおさえることができますが、事故の際には設定した免責金額が差し引かれることを理解しておきましょう。
⑤割引制度の確認
加入している保険会社の契約でどのような割引制度があり、ご自身が使えるものがないかを確認しましょう。
火災保険
新築物件割引、ホームセキュリティ割引、オール電化住宅割引など
地震保険
建築年割引、耐震等級割引、耐震診断割引、免震建物割引など
今後、保険料の値上がりが続いてしまうと、家計を圧迫してしまうこともあるかもしれません。
加入している契約内容を確認し、万が一のときに保険で補うものと貯蓄で補うものを分けて考えてみましょう。
塙
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